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井蛙考-とある社会人の備忘録

うわべに見ゆる以上であれ

メモ 勝海舟 江藤淳・松浦玲編『氷川清話』(2000)講談社学術文庫

 

氷川清話 (講談社学術文庫)

氷川清話 (講談社学術文庫)

 

 勝海舟(1823~1899)

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https://upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/thumb/d/d1/Kaishu_Katsu_2.jpg/270px-Kaishu_Katsu_2.jpg

人間の相場

維新の頃には、妻子までもおれには不平だったヨ。広い天下におれに賛成するものは一人もいなかったけれども・・・おれは常に世の中には道といふものがあると思って、楽しんで居た。・・・おれはただ行ふべきことを行はうと大決心をして、自分で自分を殺すやうな事さへなければ、それでよいと確信して居たのサ。」63p

今の外交は何をしとるのか

「国民が今少し根気強くならなくっては、とても大事業は出来ないヨ。隣の奥さんをいぢめるくらいを、外交の上乗と心得るやうでは困るヨ。今少し遠大に、しかして沈着に願ひたいものだ。」202p

方針を固定するな

人はよく方針々々といふが、方針を定めてどうするのだ。およそ天下の事は、あらかじめ測り知ることの出来ないものだ。網を張って鳥を待って居ても、鳥がその上を飛んだらどうするか。・・・おのれに執一の定見を懐き、これをもって天下を律せんとするのは、決して王者の道ではない。」241p

おれは大反対だったよ

日清戦争はおれは大反対だったよ。なぜかって、兄弟喧嘩だもの犬も喰はないぢゃないか。たとへ日本が勝ってもどーなる。支那はやはりスフィンクスとして外国の奴らが分からぬに限る。」269p

現在に応ずるのみ

「世間の人はややもすると、芳を千載に遺すとか、臭を万世に流すとかいって、それを出処進退の標準とするが、そんなけちな了見で何が出来るものか。男児世に処する、ただ誠意正心をもって現在に応ずるだけの事さ。あてもならない後世の歴史が、狂といはうが、賊といはうが、そんな事は構ふものか。要するに、処世の秘訣は誠の一字だ。」380p